@misc{oai:rctoyota.repo.nii.ac.jp:00000155, author = {古澤, 智恵 and FURUSAWA, Chie}, month = {2015-05-21}, note = {2014年度, application/pdf, 抄録 Ⅰ.背景 母乳育児において、古くから日本では乳房・乳頭マッサージを行うことが主流であった。しかし、近年ポジショニングとラッチ・オン(児の抱き方、乳の含ませ方)を適切に行うことのみが乳頭トラブルを予防すると提唱されており、乳房・乳頭マッサージは行わない傾向である。果たして適切なポジショニングとラッチ・オンのみが乳頭トラブルを予防するのか疑問である。そこで、産後の乳頭マッサージが乳頭亀裂を予防するかどうかを調査することとした。 Ⅱ.目的 経膣分娩後の褥婦を対象に、ポジショニングの支援に加えて乳頭マッサージを行う乳頭マッサージ群とポジショニングの支援のみを行う支援群を無作為に割り付け、授乳前の乳頭マッサージが乳頭亀裂を予防できるか検討する。 Ⅲ.方法 研究の同意が得られ、経膣分娩後であり母子分離のない褥婦を対象とした。乳頭マッサージ群36名、支援群34名の70名が対象となった。乳頭マッサージ群は授乳前の乳頭マッサージ実施を依頼した。両群ともに、授乳時に乳頭亀裂の有無、伸展性、痛み、哺乳回数、児の覚醒状態を確認した。哺乳行動とポジショニングは土江田(2008)のBBAツールを使用し観察した。 Ⅳ.結果 1.乳頭マッサージ群は産褥3日目の左右の乳頭において、支援群に比べ有意に伸展が良好となった。産褥日数が経過し、繰り返し授乳を行うことで伸展が良好となった。 2.乳頭マッサージ群は産褥4日目の左右の乳頭において、支援群に比べ「乳頭亀裂なし」が有意に多かった。ロジスティック回帰分析の結果では、産褥4日目、乳頭マッサージ群の右乳頭の「亀裂なし」は支援群の「亀裂なし」の20.7倍、乳頭マッサージ群の左乳頭の「亀裂なし」は支援群の「亀裂なし」の8.3倍であった。 3.ロジスティック回帰分析の結果、産褥4日目のBBAツール合計得点が23点以上あると、産褥4日目の右乳頭の「亀裂なし」が有意に多かった。Mann-Whitney U検定、χ2検定においても同様の結果であった。乳頭マッサージ群、支援群ともにBBAツールは産褥日数が 経過すると得点が上昇した。 4.産褥4日目の左右の乳頭亀裂の状態とポジショニングの得点を比較したところ有意差はなかった。乳頭マッサージ群、支援群ともに産褥日数が経過するとポジショニングが良好となった。ポジショニング日毎の合計得点と乳頭マッサージ群、支援群の群による交互作用は有意ではなく、乳頭マッサージの実施とポジショニングは直接影響しなかった。 5.ロジスティック回帰分析の結果、産褥4日目の右乳頭の亀裂は乳頭マッサージ実施の有無、哺乳行動、哺乳回数が有意に影響していた。乳頭マッサージを実施し、哺乳行動が良好であり、かつ1日の哺乳回数が7回以上であると、「乳頭亀裂なし」を増やした。左の乳頭亀裂は乳頭マッサージ実施の有無のみが影響していた。 Ⅴ.考察 乳頭マッサージの実施により、乳頭亀裂を予防することが明らかとなった。これより、授乳を支援する際、乳頭の状態を適切に観察し、褥婦が自ら実施できる乳頭マッサージの手技を支援する必要がある。また乳頭亀裂の予防は乳頭マッサージの実施だけでなく、児の哺乳行動や哺乳回数が影響していた。そのため授乳時に児の哺乳行動を観察し、必要に応じて支援することが重要である。哺乳回数は1日7回以上乳を吸わせることにより、乳頭が鍛えられ切れにくい乳頭になると考えられる。これらより産褥早期の褥婦に対して、乳頭マッサージを支援しながら、積極的な授乳をすすめていくような関わりが必要である。 Ⅵ.結論 本研究は乳頭マッサージ介入の有無が、乳頭亀裂に対しどのように影響するのかを検討した。その結果、乳頭マッサージには乳頭亀裂を予防する効果があった。乳頭マッサージの実施により、乳頭に刺激を与え皮膚が強化されたと考えられる。また、乳頭マッサージ介入により乳頭の伸展性は良好となった。これらより、授乳前に乳頭マッサージを行うことは、乳頭亀裂の予防に効果があると示された。哺乳行動、ポジショニングは産褥日数が経過するにつれ良好となり、適切な哺乳行動や1日7回以上の吸着も乳頭亀裂を予防した。産褥早期の褥婦に対し、乳頭マッサージだけでなく、授乳時の哺乳行動やポジショニングが適切であるかの観察と、状況に合わせた支援も重要である。乳頭亀裂を予防することは、母乳育児継続の可能性を高めると推測された。}, title = {乳頭マッサージが産褥1-4日目の乳頭亀裂の予防に及ぼす効果の検討}, year = {} }